ここ数年、警戒レベルの暑さがどんどんと更新されていき、夏が億劫になってきた方も多いのではないでしょうか。私もそんな一人です。
そんな夏、少しでもラクに乗り切るために「色による涼しさ」を上手に使いながら乗り切っていきたいものです。最後にはパーソナルカラー資格保持者として4タイプ別の配色例を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
夏におすすめな2タイプの色
表面温度が高くなりづらい色

国立環境研究所の一ノ瀬俊明さんが行った「白、黒、グレー、赤、青、緑、深緑、紫、黄色」の色だけが違う同じ素材のポロシャツを外気温が30度の中、表面温度の変化を観察した実験では
白、黄色は外気温と同じ30度、グレーや赤が白や黄色に比べると少しだけ高め。
黒に至っては5分間で白や黄色よりも20度も高い50度にまで表面温度が上がったそうです。
具体的に表面温度が低かった順番としては
白>黄色>グレー>赤>紫>青>緑>深緑>黒
と傾向としては暗さのある色は暑くなりやすいものの、緑は色の中でも特に熱を集めやすい、といえそうです。
これらの実験結果から必要以上に暑くしないためには「白、黄色、グレー、赤」の4色を積極的に取り入れるのがおすすめです。
実験引用元
https://news.ntv.co.jp/category/society/921074
https://weathernews.jp/s/topics/202206/280245/
視覚的に涼しい色

実際の感覚として暑くなりづらい「表面温度が高くなりづらい色」の他に「視覚的に涼しい色」というのもあります。
スイスの色彩学者ヨハネス・イッテンの実験では室温をどんどん下げていき、どのくらいで寒く感じるか実験した結果、赤の壁に囲まれている人は11度から12度位で寒く感じますが、青の壁に囲まれている人は15度でもう寒さを感じたそうです。体感温度としては3~4℃変わる計算です。
これは、これは目から入る色の刺激が自律神経に影響するから。
これを踏まえると視覚的に涼しさを得るためには「青、青緑、青紫といった寒色系」を使っていくのも有効といえます。
素材で“涼しさ”を補う手も
苦手な色や得意じゃないカラーを着たいときは、素材を変えるのが◎
素材で涼しさを出していきましょう。

・透け感がない素材よりは透け感のある素材
・生地のシャリ感がない素材よりはある素材
・生地が厚く重たい素材よりは薄く軽い素材
・光沢が抑えられているものよりは白が入るぐらい光沢がある素材
の方が一般的に感覚的にも涼しく感じやすいといえます。
パーソナルカラー別におすすめするなら
イエベ春

パーソナルカラー春の方が得意な色は温かみのある色が中心にはなってくるので、温かみのある寒色系やベーシックカラーもうまく使っていきたいところ。
【ベーシックカラーおすすめ】
・白は少しだけ黄色を感じるようなアイボリー
・グレーは淡くグレーベージュがかった白っぽさもあるオーキッドホワイトのようなグレー
・薄いベージュ
【アクセントカラーおすすめ】
・ひよこのような黄色
・ティファニーブルーのような水色
・ハっと覚めるようなオレンジレッド
・暖かさも少し感じるピンク系ラベンダーカラー
がおすすめです。
オレンジレッドはわかりやすく暖色なのもあり、コットンやシースルー系も取り入れた薄手の素材で軽やかなワンピースなどで取り入れるのもおすすめです。(右から2番目)
その際は白やグレーなど明るく熱っぽくならないような配色をベルトなどにいれてくっきりと締めてみて下さいね。
ブルベ夏

パーソナルカラー夏の方はまさに涼しげな色が多数取り揃えてあるパーソナルカラーなので、自然と夏以外にもこうした涼し気カラーを取り入れている方が多いと思います。
【ベーシックカラーおすすめ】
・オフホワイト
・少し青みを感じる明るいグレーのスカイグレイ
【アクセントカラーおすすめ】
・薄めのレモンイエロー
・淡いパステル調のステラブルー
・苺のようなストロベリーレッド
・ラベンダーカラー
がおすすめ。
明るく淡いカラーばかりでぼんやりとしてしまう、という方は一番左のように濃いめのグレージュを取り入れたり、ストロベリーレッドを一部に取り入れてメリハリ感を出すのがおすすめです。
イエベ秋

秋の方は涼しさを感じるスッキリした色が肌の深い色味に対して安っぽく見えてしまうという方も多いので、やや素材感にも工夫を。
【ベーシックカラーおすすめ】
・牡蠣の白のようなオイスターホワイト
・緑やオレンジといったカラーをほんのりと感じるようなニュアンスグレー
【アクセントカラーおすすめ】
・麦わらのようなやや茶がかった黄色のストローイエロー
・グっと高級感と華やかさを与える緑がかった青の青磁色やジェードグリーン
・ナスやグレープを感じさせるようなモーブ系紫
がおすすめ。
青緑系×紫という配色が日本の着物などにもよく使われる配色で味わい深さや品の良さを感じさせ、多色が得意な傾向のある秋の方にはおすすめの配色です。
ブルベ冬

冬の方は結構黒に頼りがちになってしまいがちですが、夏の間は少し黒を使うにしても工夫が必要なところです。
【ベーシックカラーおすすめ】
・真っ白なスノーホワイト
・グレーも極力白に近いライトグレー
【アクセントカラーおすすめ】
・蛍光色のようなネオンイエロー
・高級感もある鮮やかで濃いめのロイヤルブルー
・ちょっと軽やかさも感じるコバルトブルー
がおすすめ。
比較的大胆なものも似合いやすい傾向があるパーソナルカラーなので思い切ってビビッドなイエローのワンピースで夏を過ごすのもおすすめ(一番右)その際ちょっと落ち着けるために小物はグレーやホワイトなどベーシックカラーでまとめると良いでしょう。
暑い夏をファッションを楽しみながら乗りきって
色の性質を知って選ぶと、暑さを感じにくくなるだけでなく、見た目も気分も涼やかに。
ちょっとした知識で、夏のおしゃれがもっとラクに・もっと楽しくなります。
毎日の服選びが“暑さ対策”と“似合う”を両立できますように。
ぜひあなたにぴったりの涼しげ配色を試してみてくださいね。